超硬合金は真空もしくはガス雰囲気中にて1,350〜1,550℃の温度で焼結される。前者における真空度は1.3〜13Paであり、後者では通常水素、炭酸ガス、メタンガスなどが大気圧以下で用いられる。焼結で大切なことは目的とする適正な合金炭素量を得ることである。炭素量が過剰な場合は遊離炭素が、不足する場合はη相が生成し、いずれの場合も機械的性質が劣化する。この炭素量を制御するには、焼結条件のみならず、原料、混合、プレスなどの全工程の制御が必要である。最近では、焼結中にガス雰囲気を制御し、表層部を意図的に浸炭させることにより、結合相量が貧化した領域を形成し、冷却時の熱応力によって表層部を強化する方法も実用化されている。
粉体粉末冶金用語辞典 より
編者:(社)粉体粉末冶金協会
発行所: 日刊工業新聞
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